休め日本人

学校では週休２日を採用したそうですけれど、新聞には滑稽で悲しい記事が掲載されていました。土曜日も仕事の父兄が、わざわざ会社を休んで子供相手のボランティア活動をする例もあるそうな。 　ボランティア一般を否定するつもりはありませんが、どうして子供を放っておけないのでしょうか。休みというのは元来「休み」のはずです (笑)。 ですから、お父さんが休日にゴロゴロしているというのも、ぼくにいわせればごく自然の話なんです。何かしなくてはならないという思い込みは奇怪というほかありません。当然何をしなくてもいいわけです。 　塾はいけないといって目の敵にされているけれども、父兄が無理に会社を休んでまで「なんとか教室」を開いて子供を集める必要だってないんじゃないかと、ぼくは思います。たまにはぼーっとしてたっていいんだ、という精神が日本国には不足しているんじゃないでしょうか。 　勉強ばかりじゃいけない、ということでクラブ活動が義務づけられるというのもヘンな話です。ことに運動部なんかではガリ勉の体育版 (笑) みたいなところもあって、がっかりさせられます。 　団体ツアー旅行にでかけて、くたくたになるまで見物して回ったり、ほんとにこの国の人はいつになったらノンビリ無為を楽しむ境地に達するのかなあ……。そう考える本人があわただしく働き続けているんだから (^_^;)、 すなわち滑稽かつ悲惨というわけです。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(1992年9月)

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