真冬とはいえ、太陽の力は偉大である。氷の上では、カモメもひなたぼっこしている。
漁船のロープに着いた氷も、早朝はひどく緊張していたはずなのに、ちょっとだらしなくかたちを崩しはじめた。
正月休みの漁港を散歩するのは気分がのんびりしていいものだが、そんな物好きは自分のほかにはみあたらない。
波打ち際には、できかけのパンケーキ・アイスが、無数の小さな気泡に日の光を受けながらゆったり漂っている。まる、しかく、しかく、まる。
本も読まず、勉強もせずに、こんな景色をながめながらブラブラする生活を始めてもう数年になる。たぶん今年もまた……
