温根内の木道から		2003-6-19
		春採湖シリーズは不定期連載として、今回は釧路湿原をご案内したい。 　湿原といっても、ここは木道が整備されているので、文明の延長といえなくもない。しかし不用意に湿原の中に足を踏み込むのは危険をともなう行為ゆえ、すなおに文明の恩恵に浴したい。 　朝まだ早かったけれど、ほかに数人の人が、レンズを野の花々に向けていた。ミツガシワ、ヒメカイウ、エンコウソウ…… 　間近に見る湿原そのものは、どこをどう撮ったらいいのか、ぼくの手に余る茫漠たる風景であった。 　まあそんなことはどうでもいいか。いまいましい携帯電話を車の中に置きっぱなしにして、この日本離れした景色の中を歩くのは、爽快な気分なのだから。
2003年6月15日鶴居村温根内にて。New FM2 + Ai Micro 55 mm F2.8S使用

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