2002-12-29

　本紙記者が寒気をものともせず撮影した感動の一枚(?)。

　零細地方紙の当社は人手が足りないから、記者がなんでもこなさなくてはいけない。

　「編集長、夜ですから三脚を使いたいのですが……」

　「ばかやろう。アル中の爺さんみたいなことを抜かすんじゃねえ」

　……というのは真っ赤なウソで、実は寒いから三脚をトランクから取り出すのが面倒だったのである。

　それでも北欧の兵隊さんみたいな防寒着を着て、狙撃兵のように係船柱で腕を支え、凍った地面に膝をつけば、アルコール依存症のおじさんにもなんとか２分の１秒は切れるものなのだ。

　書を捨てて、カメラを手に夜の港へ出よ、といえばカッコいいが、これしか撮るヒマがなかったのである。