益浦に行くのは何年ぶりだろうか。坂道を下ると、純然たる田舎の風景である。

　しかしこのあたりには昔ながらの木造家屋はみあたらず、引き返そうかとも思ったが、潮のにおいに誘われてもう少し先へ進むと、なつかしい景色に出会った。

　バス停には岩見浜とあったが、地名は写真の岩に由来するのだろうか。ひっそりとした小さな浜である。砂利を敷き詰めてあるから、昆布を干すのだなとわかる。

　釧路付近の浜は昔は遠浅で、ところどころに潮だまりのできる岩場もあったのだが、海岸の浸食が進んだために、道路の間近に波打ち際というところが多くなった。ここもたぶんそうだと思う。

釧路市益浦　岩見浜

　昆布漁師さんの一家が昆布干し作業をしていた。水分を含んだ昆布はかなり重量があり、腰を曲げての作業は大変そうだ。おばあちゃんのそばでお孫さんがぴょんぴょん飛びはねている景色がほほえましかった。

　もう少し近寄って撮りたかったのだが、人様の敷地に足を踏み入れている分際をわきまえて、控え目にパチリとシャッターを切った。

　岩見浜の昆布干し風景

2000年8月12日撮影