石炭ストーブ全盛期には、たいていの家に炭小屋ないしは炭箱というのがあった。鼻汁も凍りつくような夜中に、石炭を取りにいやいや炭小屋に行った記憶がある。

　国内最後の炭坑を抱える釧路ではあるが、現在では暖房の主力はもちろん灯油である。今でも石炭の箱はたまにみかけるが、写真の炭箱のように実際に使われているものは珍しい。

　いずれ姿を消すであろう炭箱の記念のために、シャッターを押した。

2000年5月5日撮影