ひさしぶりにタグボートに乗って沖に出た。白波は立っているがうねりはなく、まずは快適な乗り心地である。眺めもよろしい。

　苫小牧は釧路より数度気温が高い。風こそまだ冷たいが、もう春といってさしつかえないだろう。

　あの雪をいただく山はなんというのだろう。エンジンの騒音ではっきり聞き取れなかったが、同行のＯさんはたしか「えにわだけ」といったように思う。（さきほど地図で確認したところ、やはり恵庭岳らしい。そのすぐ右側はたぶん樽前山だろう）

　北海道の春先の天候は信頼できない。ぼくが車に乗らず列車を利用したのは、雪を警戒してのことである。案の定、この二日後、つまり今日、大雪が降った。恵庭岳の峰はいっそう白さを増したのではあるまいか。

1999年3月20日撮影